セルチュクからイスタンブールに戻ってきました。
今度は、イスタンブールのアジア側、イチェレンキョイ(İçerenköy)に滞在。
有名なアジア側のカドキョイ(Kadıköy)駅からは、バスや電車で30分ぐらいの所。
でも、きっと引き寄せられたのかもしれません。
近くのモスクで良い出逢いがあったのです。
yoshiゾウそのお話しは、のちほど
ホテルは「The Hera Platinum Hotel」、1泊1部屋約50€(2024当時のレートで8800円朝食付き)。
もう少し安い宿を探していたのだけれど、直前予約だったのと、旧市街での失敗があったので慎重に😓
4つ星感はなかったけど、朝食は美味しかったし、駅やバス停にも近く便利でした。
近所に美容整形の病院があるらしく、顔に包帯巻いている人が多くて最初驚きましたw。



では、モスクの話しに入りますね
モスクについて
モスクってなに?
モスクとは、イスラム教の礼拝所のことです。
アラビア語では 「マスジド 」 と呼ばれ、「ひざまずいて礼拝する場所」という意味があります。
ムスリム(イスラム教徒のこと)は、1日に5回の礼拝を行います。
その場所がモスク。
モスクは礼拝のための場所であると同時に、
地域の人々が集まる教育・学び・交流の場としての役割も持っています。
イスラム教の神は アッラー ただ一人であり、ムスリムはアッラーの教え(コーラン:聖典)に従って生きます。
主な信仰内容(五柱)
巡礼(ハッジ) – 一生に一度はメッカへ巡礼する(可能な人)。
信仰の告白(シャハーダ) – 「アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはその使徒である」と信じる。
礼拝(サラート) – 1日5回、メッカの方向に祈る。
喜捨(ザカート) – 貧しい人々への寄付。
断食(サウム) – ラマダン月に行う。
世界のムスリム人口は、世界中の25%。
トルコでは、大多数(約99%)をムスリムが占めますが、政教分離の歴史を持つため、比較的イスラム教の戒律が緩やかで、飲酒やスカーフ着用が必須でないなど、他のイスラム圏の国と比べて自由な側面があります。



ワイン好きの身としては、酒屋さん探すのちょっと苦労したけどね
黒い袋に入れられて、何か悪いことしてるみたいだった😰
モスク内のルールやマナー
服装
<女性>
- 髪をスカーフやショールで覆う(頭・首・肩が隠れるように。ムスリムが頭を覆っている物は、ヒジャブという)。
 - 腕・足を露出しない(ノースリーブ・短パン・ミニスカートはNG)。
 - ゆったりとした長袖・長ズボンやロングスカートが理想。
 - 一部のモスクでは、入口でスカーフやローブを無料貸出してくれます。
 
<男性>
- 短パンやノースリーブは禁止。
 - 膝が隠れる長ズボンを着用。
 - TシャツやシャツでOKですが、清潔感のある服装が望まれます。
 
靴の扱い
- モスクの内部(礼拝エリア)では、靴を脱ぐのがマナーです。
 - 靴は入口の棚や袋に入れて持ち歩くこともできます。
 - 靴下を履いていてもOK裸足でも構いません)。
 
礼拝中・写真撮影
- 礼拝中のムスリムの前を横切らない。とても失礼とされています。
 - 祈りの最中は話しかけない。静かに見守ること。
 - 写真撮影は控えめに。人物を撮る場合は必ず許可を取る。
 - フラッシュは禁止のモスクも多い。
 
振る舞い
- 大声で話さない。携帯電話はサイレントモードに。
 - 礼拝エリアには男女別の区画があることがあります。
 - 床に座るときは、足の裏を礼拝の方向(メッカ方向)に向けないよう注意。
 - 飲食は禁止。ガムもNG。
 
イスタンブールで印象深かったモスク5選
① アヤソフィア(Hagia Sophia / Ayasofya)


言わずもがなのアヤソフィア。
でも旧市街にいる間は、入場料の高さに躊躇して、結局行かず終い。
だけど、知り合ったムスリムから「是非行ってください!」と勧められて、アジア側からフェリーで渡って行って来ました。



このフェリーが気持ち良かったー!オススメ
概要:
アヤソフィアは、世界でも最も有名な建築物のひとつで、537年に東ローマ帝国(ビザンツ帝国)のユスティニアヌス1世によってギリシャ正教の大聖堂として建てられ、約900年間、キリスト教の中心的聖堂として、コンスタンティノープル総主教座の本拠でした。
1453年のオスマン帝国の征服後、メフメト2世によってモスクに改装され、20世紀の初頭までイスラム礼拝所として使用されま
1935年にアタテュルク政権により博物館化され、2020年から再びモスクとして利用されています。



教会→モスク→博物館→モスク
営業時間、入場料
営業時間:
<4月~9月>   8:00~19:30
<10月~3月> 9:00~19:30
※毎週金曜日は礼拝のため、午前中は休館 
<定休日>  なし 
入場料: 25ユーロ(2024当時のレートで約4300円)
※チケット販売時間は、営業時間終了の30分前まで 
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
アクセス
みどころ
巨大なドーム(直径約31m)は古代建築の奇跡と称されます。
「空に浮かぶように見える」と称賛されることも。


アヤソフィアの内部ドームは、高さ56メートル、直径約31メートル(東西方向)の巨大な円形ドームで、その中心にはイスラム教の聖典であるコーランの一節がアラビア文字で記されています。
かつてはキリスト教の大聖堂として使われていたため、ドームの内壁にはキリストのモザイク画が描かれていましたが、現在は、天使のモザイク画などが残されています。 


1階は、現在礼拝の場として使用されており、観光客は上階(ギャラリー)のみ見学可能。
イスラム教徒は無料で礼拝のために入ることができます。 


内部にはモザイク画(聖母マリア、キリスト像など)とイスラムの書道装飾(カリグラフィー)が共存


素晴らしいビザンティン時代のモザイク画






セラフィム(熾天使、天使の階級の最上位)を描いたモザイク画、セラフィムは「火のように神への愛で燃えている」とされています。










② スルタンアフメト・モスク(通称ブルーモスク)(Sultan Ahmet Camii)


概要
こちらも有名、スルタンアフメト・モスクは、アヤソフィアのすぐ向かいに建つオスマン帝国時代の代表的なモスク。
建設は1609~1616年、第14代スルタン・アフメト1世の命によるもの。
設計は宮廷建築家メフメト・アーガ。
その美しい内装に使用された青いイズニックタイルが印象的で、「ブルーモスク」の愛称で世界的に知られています。
6本のミナレット(尖塔)を持つ珍しいモスクで、壮麗なシルエットが特徴。
スルタンアフメト・モスクは、17世紀初頭にアフメト1世によって建てられたオスマン建築の代表作です。
営業時間、入場料
営業時間: 8:30~18:30 前後
※礼拝前後や、特に金曜正午礼拝時には観光客の立入りが制限される時間帯あり。
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
入場料:無料
アクセス
みどころ
入り口、並ぶこと覚悟。


内部には2万枚以上のイズニック製タイルが使われ、特に花や幾何学模様が美しく配置されています。
ステンドグラスから入る光が幻想的な雰囲気を演出。




③ スレイマニエ・モスク(Süleymaniye Camii)


概要
オスマン帝国の最盛期を築いたスルタン・スレイマン1世(大帝)の命により、建築家ミマール・スィナンによって建てられた壮麗なモスクです。
1550年に着工し、1557年に完成しました。
スィナンはオスマン建築の巨匠で、このモスクを自身の「弟子時代の最高傑作」と呼びました。
オスマン帝国の黄金時代を象徴する建築であり、その調和のとれた設計は「神の秩序と宇宙の調和」を表現しているといわれています。
また、スレイマニエ・モスクは単なる礼拝所ではなく、神学校(マドラサ)・病院・浴場・図書館・墓廟を含む大規模な複合施設(クッリイェ)として設計されました。
営業時間、入場料
営業時間:8;30~18;30前後
※礼拝前後には、観光客の立入りが制限される時間帯あり。
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
入場料:無料
アクセス
みどころ
中央ドームの高さ:53メートル、直径27.5メートル


美しいステンドグラスと、音響効果を高めるための壺(アンフォラ)が壁内に埋め込まれている点が特徴です。


丘の上に建っているため、金角湾(Golden Horn)とボスポラス海峡を見渡す眺望が素晴らしく、日没時は特に美しい景観を楽しめます。


④ ソコルル・メフメト・パシャ・モスク(Sokollu Mehmet Paşa Camii)


概要
16世紀、オスマン帝国の大宰相ソコルル・メフメト・パシャを記念して建てられたモスクで、ミマール・シナンの設計作品のひとつとして知られ、「小規模モスク建築の最高傑作」と呼ばれることもあります。
完成は1571年頃。
ソコルル・メフメト・パシャは、16世紀のスルタン・スレイマン大帝・セリム2世・ムラト3世に仕えた名宰相で、政治手腕で知られる人物です。
このモスクは、彼の妻エスマ・スルタン(スレイマン大帝の孫娘)が彼のために寄進しました。
また、内部にメッカのカアバ(聖殿)から運ばれた黒石の一部が3つ埋め込まれていると伝えられており、非常に神聖なモスクとされています。
営業時間、入場料
営業時間:9:00~17:00前後
※礼拝前後には、観光客の立入りが制限される時間帯あり。
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
入場料:無料
アクセス
アヤソフィアやスルタンアフメト・モスクから、10分くらいの場所。
みどころ
入口にアーチと中庭(シャダー)を備え、ミナレット(尖塔)は細く優雅な形。


内部は、イズニック(İznik)製のタイル装飾が極めて美しいことで有名。
特に青・緑・白の幾何学模様やアラベスク文様が壁面を飾り、光の反射で幻想的な雰囲気を醸します。
ミフラーブ(礼拝方向を示す壁のくぼみ)やミンバル(説教壇)も細かな大理石細工で装飾されています。
天井のドームには、オスマン特有の金色のアラビア書道(カリグラフィー)が描かれています。


スルタンアフメトやアヤソフィアのような大規模モスクに比べて観光客が少なく、静かで落ち着いた雰囲気。
内部はこぢんまりしていますが、シナン建築の完璧なプロポーションと光の取り入れ方が感じられます。





ゆっくり座ってイスラムの本を読めたよ



偶然立ち寄ったけど、綺麗で静かで、隠れた名所的なかんじ
⑤ クチュクバッカルキョイ中央モスク(Kucukbakkalkoy Merkez Cami)


概要
イスタンブールのアジア側、カドゥキョイ地区のクチュクバッカルキョイ地区にあるモスクで、現代的デザインと伝統的オスマン建築の融合が特徴です。
住宅街の中心に位置し、地域の人々の日常的な礼拝の場として利用されています。
特に大きな観光名所ではありませんが、近隣住民の信仰生活に密着したモスクです。
比較的新しい建物で、清潔で整った礼拝室とミナレットを備えています。
営業時間、入場料
営業時間:「観光客向け見学時間」の情報が明確には出ていません。
入場料:無料
アクセス
みどころ
白を基調としたモダンな建物で、内部は明るく清潔感があります。


yoshiくんの質問に、親切丁寧に応えてくれる関係者の方達。
知らない間に4,5人が集まってきてくれました。


出会い
イスラム教は、信者に対し「親切で思いやりを持ち、互いを理解すること」を教えていて、他者に対して忍耐と優しさをもって接することが奨励されているようです。
本当にそれを証明するかのように、一つの質問から輪が拡がり、モスク関係者や信者数人と仲良くなって、yoshiくんはそれから何日かモスクに通いました。



その時の友とは、今も繋がってるよ
また、イスラム教では「人にごちそうしたり、食事を共有することは、他者への奉仕の実践の一つ」でもあるようです。
会ったその日に、信者の若い青年に、モスク近くの「チーキョフテのお店」に行こうと誘われて、ごちそうになって少し驚きました。



いろいろ教えて貰ったし、こっちがごちそうしなきゃいけない立場なのに・・・
自宅に人を招いて食事を振る舞ったりする慈善活動も盛んなようで、その中の1人から後日おうちに招かれ、ごちそうになりました。
ご家族とお話しができて、良い経験に。



お礼に果物持ってったよ


まとめ
イスラム教の国トルコでモスクに行くことは、2人にとって必須なことでした。
yoshiくんは事前にイスラム教の本を熱心に読んでいたし、私(mana)はモスクの幾何学模様を見るのが大好き。
モスク内で座って静かな時間を過ごすことも、この旅の中で大切な時間でした。
しかも、イスラム教徒にとっての「社会奉仕活動は、どんなに小さな善行でも大切であり、それはアッラー(神)の目に留まる重要な行為である」という教えを、実体験をもって目にすることができたのは、嬉しい事でした。
それは、「クチュクバッカルキョイ中央モスク」の人たちだけではなく、バス亭に連れて行ってくれたご夫婦や、バスカードの残金返却に付き合ってくれたおじさんや・・・本当にたくさんの施しを受けました。
旅先では、行った土地での宗教の礼拝所や、信者たちの温かみに触れる瞬間があります。
そんな時は、その教えをかみしめ穏やかな心になって、同じ空気を共有する。
その場所に居なければ体験できない時間を、大切にしたいと思っています。
トルコでは、たくさんのモスクがあるから、是非行ってみてくださいね。



意外と、近くのモスクで何かを発見できるかも
		


