セルチュク(Selçuk) は、古代都市エフェソスの玄関口
セルチュクに行った1番の理由は、エフェソスとアルテミス神殿跡を見たかったから。
エフェソスに行く旅人やツアーなどはよくあるけど、アルテミス神殿まで足を延ばす人は、まれかもしれません。
manaぴょんでも・・・エフェソス行くならアルテミス神殿もいかなきゃ!
ということで、アルテミス神殿に歩いて行けるセルチュクで、古代文明に思いを馳せようと、しばらく滞在することにしました。
エフェソス遺跡(Ephesus Ancient City)


エフェソス遺跡とは
エフェソス遺跡(Ephesus)は、古代地中海世界でもっとも保存状態が良い都市遺跡の一つで、古代ギリシャ時代からローマ帝国時代にかけて繁栄した都市。
紀元前10世紀ごろに建設されたといわれていて、古代ギリシャとローマ帝国の文化が融合した貴重な場所です。
当時は港町として栄え、人口は25万人を超えていたとも。
2015年に、世界遺産に登録されました。
発掘は19世紀から続けられており、今も全体の20%程度しか解明されていないといわれています。
営業時間、入場料
営業時間:
<夏季 4月~10月頃>
 午前8時~午後7時(19時)
     
 <冬季 10月~4月頃>
 午前8時30分~午後6時(18時)
     
 <定休日> 
 なし 
入場料:40€(2024年当時のレートで1390トルコリラ、6600円位)
※但し変動しやすいので、行く前に要確認。
アクセス
エフェソス行きのバスはセルチュクのオトガル(バスターミナル)から出ています(30トルコリラ。2024年当時のレートで150円ぐらい)。
「エフェソース、エフェソース」とおじさんが叫んでいるいるところに行くと、ミニバスが待っています。
バスに乗っている時間はほんの10分ぐらい。



頑張って歩いたら45分ぐらいで行けるけどぉ・・・やっぱバスで行こうっと
エフェソス遺跡には、南ゲート(マグネシア門)と北ゲート(アルカディア通り)の2つの入り口があって、一般的には、南ゲートから入場し、北ゲートへ抜けるルートが「下り坂で歩きやすい」とされているので、ツアーバスなどはそのルートをとります。
セルチュクからのミニバスは、北ゲートに到着。
セルチュクまでの帰りのバスも、北ゲート前から出るので、結局は中で往復することになりますね。
3時間~4時間あれば?とは思うけれど、慌てず1日かける気持ちで行くのがベスト。



行きはじっくり、帰りはさくっとで、そんなに大変じゃないよー
主な見どころ
古代劇場(Great Theatre)
約2万5000人を収容できる円形劇場。
演劇や集会、後にはキリスト教布教にも使われました。




あら、オイリュトミー?


ケルスス図書館(Library of Celsus)
エフェソスを象徴する建物。
紀元後2世紀建造の壮麗な二階建ての図書館跡で、当時は1万2000冊以上の巻物を収蔵していたと言われています。










ハドリアヌス神殿
ローマ皇帝ハドリアヌス帝に捧げられた神殿。
エフェソスのローマ風建築の最高傑作と言われています。
保存状態はとても良いです。


トラヤヌスの泉殿
西暦102~104年頃に建立されたと言われるローマ皇帝トラヤヌスに捧げられた泉。
高さ12mあったものが修復時に縮小して再現されています。


売春宿跡
図書館の地下には、この建物に通じる秘密の地下通路があったとも伝えられています🤐


共同トイレ跡
トイレは社交の場でもあり、みんな並んで座り、会話を楽しみながら用を足す…という文化でした😅


オデオン(音楽堂)
劇場形式の建物は、隣接した浴場と大体同時期の2世紀にヴァリウス・アントニウスと妻フラヴィア・パピアナによって建設されました。
劇場とはその性質が異なり市議会の集まりや音楽会に利用されていたようです🎶


ヴァリウスの浴場
公共浴場で、サウナ、マッサージ室、読書室、休憩用の中庭などもあり、現代のスパ+社交クラブのような存在でした😚


その他にも広大な敷地内に見所満載。
石の文様などを見るだけでも楽しい。
























アルテミス神殿跡(Temple of Artemis)


アルテミス神殿とは
かつて「世界の七不思議」の一つに数えられた壮大な神殿。
紀元前550年頃に建てられ、ギリシャ神話の女神アルテミス(狩猟と豊穣の女神)を祀っていました。
アルテミス神殿はエフェソスの信仰の中心であり、経済・政治の重要な拠点でもありました。
エフェソスは、アルテミス神殿の存在を基盤に発展し、ローマ時代にはアジア州の州都として栄えました。
神殿はエフェソスという都市の繁栄と切っても切れない関係にあったのです。
現在は一本の柱(復元)と石材の跡だけが残るのみ。
地震や戦火で何度も破壊され、最終的にビザンツ時代には完全に崩壊しました。





この一本が見たかった!
アルテミスは女神だけれど、さすが狩猟の神!凜々しいお姿。
そして、なぜかてっぺんにコウノトリさんが巣を造っています・・・😶





さすが、豊穣の神!
営業時間、入場料
営業時間:
<夏季 4月~10月頃>
 午前8時~午後7時(19時)
     
 <冬季 10月~4月頃>
 午前8時30分~午後6時(18時)
     
 <定休日> 
 なし 
入場料:無料
※開館時間は、エフェソス遺跡に準じているようですが、変動しやすいので行く前に要確認。
アクセス
アルテミス神殿跡には、セルチュクのオトガル(バスターミナル)から徒歩12分ぐらいで行けます。
古代世界の七不思議の一つに選ばれた理由
アルテミス神殿(Temple of Artemis at Ephesus)が「古代世界の七不思議(Seven Wonders of the Ancient World)」の一つに選ばれた理由は、単に宗教的な重要性だけでなく、その壮大な規模・美しさ・建築技術の高さが当時の世界で群を抜いていたからです。
① 圧倒的な規模と建築美
紀元前550年頃、リディア王クロイソスの命により建設されました。
建築を担当したのは、当時の有名な建築家 ケルシフォロン(Chersiphron)と息子メタゲネス(Metagenes)。
建物の大きさはおよそ
長さ115m × 幅55m、高さ18m。
現代のサッカー場ほどの広さで、神殿としては当時世界最大級でした。
127本の大理石の柱が並び、その1本1本が彫刻で飾られていたと伝えられます。
柱や壁面には金や宝石がはめ込まれ、内部も彩色豊かで豪華そのもの。
訪れた人々が「まるで天上の宮殿」と称えたほど。
② 芸術と信仰の融合
エフェソスは古代ギリシャの植民都市でしたが、女神アルテミス信仰はもともと地元の豊穣神信仰と融合していました。
神殿の主神 アルテミス は、ギリシャ神話では「狩猟と純潔の女神」ですが、エフェソスでは「豊穣と母性」を象徴する存在。
神殿には芸術家たちが競って作品を奉納し、
彫刻・絵画・装飾 のすべてが最高峰の職人技で彩られました。
美術と宗教の結晶といえる神殿だったのです。
③ 当時の「観光地」としての人気
世界中(ギリシャ・アジア・エジプトなど)から巡礼者や旅行者が訪れ、エフェソスの経済発展を支える存在でもありました。
商人が寄付をし、王が宝物を奉納するなど、「神への信仰と富の象徴」が一体化した壮麗な施設だったのです。
④ 歴史的エピソード
紀元前356年、ヘロストラトスという男が「有名になりたい」という理由で放火し、神殿は焼失。
その夜は偶然にも、アレクサンドロス大王が誕生した夜だったと伝説に残っています。
その後、大王自身の支援で再建され、さらに美しく豪華に復活。
こうした「破壊と再生」の歴史も神秘性を高めました。
現在の神殿跡には1本の柱が立つのみですが、発掘によって基礎部分や柱片が残りその「かつての壮麗さ」を想像することができます。



とにかく、アルテミスのパワーをその地で感じたかったのだー!



意外とのどかな場所だよ
背景にセルチュクの城とアヤソルクの丘が見える


エフェソス考古学博物館(Ephesus Museum / Efes Müzesi)
概要
エフェソス遺跡で発掘された出土品を中心に展示する博物館。
アルテミス像(多胸の女神像)はアルテミス神殿から出土した有名な像で、豊穣を象徴する独特な姿をしています。
エフェソスのシンボルであり、豊穣を表す複数の乳房(または卵)が特徴的。
エフェソス遺跡から出土した多数の展示品の中でも特に見逃せない像の一つです。 大・小2体あり、どちらも圧巻。
ケルスス図書館のレリーフやモザイク、彫像、貨幣、装飾品 などが多数。
ローマ時代の家屋跡(テラスハウス)からの出土品もあり、当時の生活ぶりがよくわかります。
営業時間、入場料
営業時間 :午前8時~午後9時(21:00)
※チケット売り場の閉場時間: 午後8時(20時)
定休日なし
入場料:10€(2024年当時のレートで1650円位)
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
アクセス
セルチュク中心からほど近い距離。
オトガル(バスターミナル)からだと5分ぐらいで行けます。
主な見どころ
大アルテミス像は292㎝


向かいの小アルテミス像は174㎝


アルテミス神殿の模型


アルテミス神殿の模型の中をのぞくとアルテミス像が😶


出土品の数々




あったあった糸巻き。
染織道具を見つけるといつも嬉しくなる😊


彫像作品もありました。


あ、ゼウス


ソクラテス、おまえもか


規模は大きくありませんが内容が濃く、30〜60分程度でじっくり見学できます。
見るのは、エフェソス遺跡やアルテミス神殿跡に行く前が良いのか?後が良いのか・・・?



それは、あなた次第です
その他の遺跡
セルチュク城塞と聖ヨハネ聖堂はどちらもセルチュク(Selçuk)の丘の上にある重要な史跡で、エフェソス遺跡とともに観光ルートに含まれる名所です。



散歩の延長で行けるかんじ
セルチュク城塞(Selçuk Castle / Ayasuluk Kalesi)
概要
最初の要塞はビザンティン時代(5〜6世紀)、その後セルジューク朝〜オスマン時代にかけて改修。
街の防衛拠点。エフェソスの港が土砂で埋まり、内陸都市としてのセルチュクが発展した後も、要塞として使われ続けました。
石とレンガを組み合わせた堅牢な造りで、15の塔を備えた城壁が残っています。
内部には小さなモスク跡、貯水槽跡、かつての居住区跡があります。
頂上からはセルチュクの町、エフェソス遺跡、アルテミス神殿跡、さらには遠くのアイドゥン山脈まで見渡せる絶景スポット。
営業時間、入場料
営業時間:
<夏季 4月~10月頃>
 午前8時~午後7時(19時)
     
 <冬季 10月~4月頃>
 午前8時30分~午後5時(17時)
     
 <定休日> 
 なし 
入場料:40〜50トルコリラ((2024年当時のレートで190円~240円位)(聖ヨハネ聖堂と共通券になることもあり)
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
アクセス
聖ヨハネ聖堂(Basilica of St. John)のすぐ背後、アヤスルクの丘(Ayasuluk Hill)の頂上に位置します。
セルチュクのオトガル(バスターミナル)から徒歩20分ぐらい。
聖ヨハネ聖堂(Basilica of St. John)


概要
6世紀、ビザンティン皇帝ユスティニアヌス1世によって建立。
十字形の巨大なバシリカ様式建築で、当時はエフェソス一帯で最も重要なキリスト教聖地でした。
新約聖書の著者「ヨハネ」は、晩年をエフェソスで過ごしたとされ、その墓がこの丘に築かれたと伝えられています。その墓を覆う形で、ユスティニアヌス帝が壮大な聖堂を建てました。
中世には巡礼地としてローマからも信者が訪れ、「エフェソスの聖ヨハネ」として崇拝されました。
聖堂跡は現在、基礎部分と列柱、壁の一部のみが残っていますが、平面図からも当時の壮大さがわかります。
ヨハネの墓所(中央の十字交差部)には白い大理石の石棺があり、特に重要視されています。
営業時間、入場料
営業時間:
<夏季 4月~10月頃>
 午前8時~午後7時(19時)
     
 <冬季 10月~4月頃>
 午前8時30分~午後5時(17時)
     
 <定休日> 
 なし 
入場料:100トルコリラ前後((2024年当時のレートで480円位)(セルチュク城塞と共通券になることもあり)
※但し変動する可能性があるので、行く前に要確認。
アクセス
セルチュクのオトガル(バスターミナル)から徒歩15分ぐらい。
まとめ
セルチュクの遺跡群、いかがだったでしょうか。
エフェソス遺跡の入場料は少し痛いですが、その壮大さは必見の価値あり。
個人的な印象では、ツアーで行くと自分のペースでゆっくり見れないので、遺跡の事前知識を少し入れて、個人でのんびり見に行くのが良いかなと思います。
そして、是非行ってほしい・・・というか体感してほしいのはアルテミス神殿跡。
博物館とセットでおすすめです。
エフェソス古代文明の風を感じられるセルチュクに行ってみよう!



前回のブログ「トルコ・セルチュクの旅①」も是非、ご覧ください
セルチュクが好きになること間違いなし!
		



